一般的には「牡羊座」「山羊座」などの「星座」を用いた占いとしてよく知られている西洋占星術ですが、実際にはとても奥が深く、太陽と月の軌道の交点である「ドラゴンヘッド」、ホロスコープ内での惑星の場所を表す指標の一つである「ハウス」、惑星間の角度を示す「アスペクト」など、さまざまな要素を組み合わせて占い結果を導き出します。
　そして、これらを図として表したのがホロスコープ。中でも結果画面で表示される出生時刻のホロスコープは「出生図」「出生天球図」とも呼ばれる特別なもので、宿命も過去も未来も……あなたの"運命のすべて"がここに記されているといっても過言ではありません。

　土星および天王星の付近で楕円形の軌道を描く、実在する小惑星です。1977年に発見されました。「カイロン」「キーロン」「キローン」とも呼ばれています。
　その存在は、占星術家の間でも重視されており、中でも「本当の望み」「心の傷」「潜在意識」「届かない願い」といった深層心理を読み解く際には欠かせないと考えられています。

　とはいえ、このキロン、なかなか表に出てくることはありません。その理由は、第一に位置を正確に計算し、使いこなすことが難しいからです。キロン自身の軌道が楕円かつ他の惑星（土星、天王星）と交差する形となっているのがその原因。簡易な計算方法のみを使ったホロスコープ鑑定ではキロンをとらえることそのものが不可能なのです。
　もう一つの理由は、キロンを読み解くこと＝単純にイエス・ノーを導くのではなく、人の心の本質に迫ることだからです。
・土星→現実社会、常識、堅実さ
・天王星→突飛、あまのじゃく、革新、奇天烈
といった意味を持つ二つの惑星と軌道が交差するこの星は、【自分の中にある「常識」「限界」を超えて、自分らしく、チャレンジ精神を持って生きようとしたときに、やはりぶつかってしまう「世の中」という壁】を司ります。この問題を探究するには、どんなときも「その人の本質」に迫ろうとする姿勢でなくてはいけません。

　占星術家としての技能も姿勢も要求される特別な星、それがキロンです。